2025/11/11
アニール処理でフィルム加工の課題をクリアする

プラスチックフィルムは、包装・電子部品・光学用途など、幅広い分野で活用されています。
しかし、成形やラミネート、印刷などの後工程で「カール(反り)」や「熱収縮」といった変形トラブルが発生することがあります。
そうした課題を安定的に解決する技術として注目されているのが「アニール処理」です。
ここでは、アニール処理の基本から、フィルム加工における課題解決の考え方、
そして受託加工を通じて安定した品質を提供する大槻工業株式会社の取り組みをご紹介します。
■ アニール処理とは?その基本概念と役割
【アニール処理(Annealing)】とは、フィルムを一定温度で加熱し、内部応力を緩和させる熱処理のことです。
樹脂フィルムは製膜や加工の過程で分子配向や残留応力が発生し、それが後の変形や寸法変化の原因となります。
アニール処理を適切に行うことで、
- 熱収縮の抑制
- 寸法安定性の向上
- 表面の平滑性維持
- カール(反り)の低減
といった効果が得られます。
特に高精度な寸法管理が求められる電子・光学用途では、欠かせないプロセスです。
■ フィルム加工におけるカールの原因と影響
フィルムのカール(反り)は、加工現場でよく見られる課題の一つです。
原因としては以下のような要因が挙げられます。
- 熱履歴の不均一(片面だけの加熱や急冷)
- コーティングやラミネートによる応力差
- 湿度や環境変化による伸縮
カールが発生すると、後工程での貼り合わせやスリット加工の精度に影響を及ぼし、
最終製品の品質や歩留まり低下につながります。
アニール処理を適切に組み合わせることで、これらの内部応力を緩和し、
フラットで安定したフィルム形状を維持することが可能です。
■ 熱収縮と耐熱寸法安定性の重要性
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高温環境下で使用されるフィルムでは、熱収縮率の管理が非常に重要です。 アニール処理を最適化することで、 |
■ 大槻工業株式会社のフィルム受託加工
大槻工業株式会社は、長年にわたりプラスチックフィルムへの各種表面加工や熱処理を受託してきた専門企業です。
お客様の製品仕様や課題に応じて、最適な条件でのアニール処理を含むフィルム受託加工サービスを提供しています。
当社でのアニール処理のメリット
1.寸法安定性の向上
アニール処理を施すことで、熱変形を防ぎ、製品の寸法安定性が飛躍的に向上します。これにより、次工程でのトラブルを未然に防ぎ製品の品質を向上させ、顧客満足度を高めることができます。
2.収縮応力の低減
アニール処理により、フィルムの収縮応力が大幅に低減します。これにより、製品のカールや変形を防ぎ、安定した性能を維持します。
3.多様なニーズに対応
私たちは、PETフィルム以外にもPEN、PPSなどのアニール加工の実績があります。お客様の特定のニーズに応じたカスタマイズが可能ですので、ぜひご相談ください。
4.小ロット対応と迅速な納品
小ロットでの対応も可能で、急なご要望にも迅速にお応えします。お客様のビジネスをサポートするため、柔軟な対応を心掛けています。
■ 大槻工業株式会社の強みと実績
フィルム表面処理加工を受託で対応しており、コロナ処理・アニール処理・離型コートや易接着コートなどと、バリエーション豊富な加工技術でお客様独自の製品に機能性を付与します。
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お客様のご要望にカスタムグレードで対応!
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加工のバリエーションが豊富!
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受託加工業として60年の実績と豊富な経験!
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■ フィルム加工業界の最新トレンド
近年、フィルム業界では以下のような動きが見られます。
- EV・次世代電池向け材料の需要拡大
- リサイクル対応や環境配慮型フィルムの開発
- 光学・電子分野での高精度加工要求の高まり
これらのトレンドの中で、フィルムの熱特性や寸法安定性を確保する技術の重要性はさらに増しています。
アニール処理をはじめとする「熱制御技術」は、今後の高機能フィルム開発を支える重要なプロセスです。
■ まとめ
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アニール処理は、フィルムの熱収縮やカールを抑え、耐熱寸法安定性を高めるうえで欠かせない工程です。
アニール処理のページはこちら。 フィルムの変形・反り・寸法安定性でお困りの方は、 |
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