2026/04/08
― 理想の「剥がれ」と「質感」をオーダーメイドで実現する ―

熱転写ラベルは各種スポーツウェア、作業着などへのマークの付与をはじめとした用途や車装品への加飾用途など数多くの場面で使用されています。その中でも表面が“つや消し調のマーク”が好まれる傾向が強いです。
その熱転写ラベルの製造において、最終的な製品のクオリティを決定づけるのは、実は「目に見えないフィルムの表面処理」です。
「デザインは完璧なのに、転写するとマット感が足りない」
「インクの乗りはいいが、いざ剥がす時に剥離が重くて転写が上手く出来ない」
こうした現場の悩みに対し、私たち大槻工業は、決まった製品を売るのではなく、お客様が作ろうとされるラベルの特性に合わせて「表面を設計する」ことで解決してきました。今回は、熱転写向け離型マットフィルム選定で失敗しないためのポイントを解説します。
1.なぜ「既製品」では満足できないのか?
熱転写ラベルは、被着体となる生地の種類ごとに使用されるインク(顔料・樹脂)や接着剤、転写時の熱・圧力が異なります。
市販の汎用離型フィルムを使用した場合、以下のようなトラブルが頻発します。
- 剥離力のミスマッチ: 軽すぎると加工中にラベルが浮き、重すぎると転写不良が起きる。
- 表面のムラ: 大面積のマット加工において、光沢値(グロス値)が一定せず、マークの外観にムラが発生する。
- ブロッキング: 保管中にフィルム同士がくっついてしまい、歩留まりが低下する。
大槻工業は、これらの問題を「受託加工(コンバーター)」の立場から、お客様のご要望をお聞きし、離型フィルムの構成を検討し、離型フィルムにコートする塗工液の配合と加工条件の最適化で解決します。
2.離型マットフィルム選定の3つの軸
私たちがお客様とフィルムの仕様を固める際、特に重視しているのは以下の3点です。
① 剥離コントロール(軽剥離から重剥離まで)
インクの種類や熱転写の条件に応じた最適な剥離力を設計します。
② マット感の質(グロス値の微調整)
「しっとりとした高級マット」から「ギラつきを抑えただけの軽いマット調」まで。配合する微粒子のサイズや形状をコントロールすることで、お客様のイメージに直結する質感を作り込みます。
③ 表面の機能付与
インクの保護層となる樹脂層や、静電気によるゴミ付着を防ぐ帯電防止層を付与することが可能です。
3.【事例】課題解決のプロセス
実際にあった、あるラベルメーカー様との取り組みをご紹介します。
【課題】
特殊な水性インクを使用した熱転写ラベルにおいて、従来の離型フィルムではインクが弾いてしまい、細かい文字が再現できない。また、転写後にフィルムを剥がす際、端部に「バリ」が発生してしまう。
【大槻工業の提案】
1.プライマー処理の検討: インクの濡れ性を改善し弾きを防ぐ特殊なプライマー層をコーティング。
2.離型力のカスタマイズ: インクの硬化収縮に負けない保持力と、転写後のスムーズな剥離を両立させるため、離型成分の種類と添加量を調整。
3.試作・検証 : 量産前の実機試作にて数パターンの試作を行い、お客様の実機で即座に検証。
【結果】
インクの描画性が劇的に向上し、歩留まりが20%改善。さらに、独自のマット処方により「質感が上品になった」とエンドユーザー様からも高い評価をいただきました。
4.大槻工業株式会社が選ばれる理由(強みと実績)
私たちは単なる「加工屋」ではありません。お客様の「困った」を形にするパートナーです。フィルム表面処理加工を受託で対応しており、各種コーティング・コロナ処理・アニール処理などと、バリエーション豊富な加工技術でお客様独自の製品に機能性を付与します。
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お客様のご要望にカスタムグレードで対応!開発の駆け込み寺的存在であり続ける為に、お客様と共に考え、アイデアを出します。ご要望をお伺いし、要求性能に応じた塗工剤を選定し、当社独自の加工技術で適正な表面加工とそれに対応するグレードをご提供します。顧客ごとの製品特性や要求精度に合わせたカスタマイズ対応を行いながら、開発情報・処理条件などの機密を厳重に管理しています。 |
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加工のバリエーションが豊富!要求性能や塗工材料の組成によって塗工方式を決定します。さらに加工要素を組み合わせる事により、多機能化したフィルムに仕上げ高付加価値フィルムとしてお客様のご要望にお応えします。 |
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受託加工業として60年の実績と豊富な経験!昭和40年の設立以来、長年蓄積してきた高い技術力と経験豊富なスタッフが、お客様にご満足いただける製品づくりを進めます。 コーティング・アニール・コロナなどの受託加工で一社一様のスペック開発をスピーディーに提供することをモットーにお客様のご要望にお応えします。 |
まとめ:あなたの「理想の剥離」をカタチにします

熱転写ラベルの進化は止まりません。より薄く、より高精細に、より環境に優しく。 そうした進化の裏側には、常に新しい表面処理の技術が求められています。
「今のフィルムに満足していない」
「新しいインクを開発したが、合うフィルムが見つからない」
そんな時は、ぜひ一度大槻工業へご相談ください。私たちが培ってきた経験と技術で、貴社製品の価値を最大化する最高のフィルムをご提案します。



