光沢調整から機能性付与までコーティングマット完全ガイド

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はじめに:なぜ今、「コーティングマット」が選ばれるのか

パッケージデザインの高級化や、電子デバイスの視認性向上、さらには建材の質感改良まで。現在、あらゆる産業分野において「マット(艶消し)な質感」への需要が高まっています。
一口に「マットフィルム」と言っても、その製法は様々です。フィルムの表面を物理的に荒らすサンドマット加工や、フィルム基材そのものに粒子を練り込む練り込みマットなどがありますが、中でもマット感の調整のしやすさと機能性の両立という点で注目されているのが、今回ご紹介する「コーティングマット」です。

私たち大槻工業株式会社は、プラスチックフィルムコンバーターとして長年培った技術を活かし、お客様の要望に合わせた微細な光沢調整や機能性付与を行っています。本記事では、コーティングマットの基礎から、単なる艶消しにとどまらないその可能性について、徹底解説します。


1.コーティングマットの基礎知識とメカニズム

まず、コーティングマットとは具体的にどのような加工技術なのでしょうか。

◆表面の「凹凸」が基材表面の光沢度をコントロールする

マットな質感(艶消し)の正体は、光の乱反射です。フィルム表面に微細な凹凸を形成することで、入射した光を様々な方向に散乱させ、人間の目には「艶が消えた落ち着いた質感」として認識されます。
コーティングマット加工では、バインダー樹脂の中に、シリカや樹脂ビーズなどの「フィラー(充填剤)」を配合した塗料をフィルム表面に塗工・乾燥させます。このフィラーの粒子径や配合量を調整することで、表面の光沢度(艶消し度合い)や凹凸形状を変化させることができます。

◆他のマット加工との違い

・サンドマット(サンドブラスト):砂などを吹き付けて物理的に傷をつける方法。工程上、フィルムへのダメージや厚みの変動が懸念される場合があります。
・練り込みマット:フィルム製膜時にフィルム基材に粒子を混ぜる方法。コストは抑えられますが生産単位が大きく、ヘイズ(曇り度)の微調整や、表面だけの機能付与が難しい側面があります。

これに対してコーティングマットは、ベースとなる基材フィルム(PETOPP、ナイロンなど)の特性を維持したまま、表面層(コーティング層)だけで光沢や機能をコントロールできるため、非常に多機能かつ高精度な設計が可能です。他の加工方法で生産するマットフィルムより、比較的小ロットでの生産対応が可能です。


2.光沢調整だけじゃない!コーティングマットのメリット

「艶を消して高級感を出す」ことはマット加工の最大の魅力ですが、実務的な製造現場や最終製品においては、それ以上のメリットが求められます。

①ブロッキング防止(作業性の向上)

フィルム同士が密着してしまう現象を「ブロッキング」と呼びます。特に平滑性の高いフィルムをロール状に巻き取った際や、重ねて保管した際に発生しやすく、後の工程でのトラブル原因となります。 コーティングマットによって表面に適切な凹凸を設けることで、フィルム同士の接触面積を減らし、空気が通る隙間を作ります。これにより、ブロッキングを劇的に改善し、スリット・印刷・コーティング・製袋機などでの工程で走行安定性を向上させることができます。

②印刷・加工適性の向上

平滑すぎるフィルムは、インキの定着が悪かったり、接着剤が乗りにくかったりすることがあります。マットコーティング層がアンカー効果を発揮し、印刷の鮮明化やラミネート強度の安定化に寄与するケースも多くあります(※)。特に意匠性が求められるパッケージにおいて、ベースとなるフィルムをマット化しておくことで、その上から施す印刷の光沢(グロス感)がより一層際立ちます。あえて質感の差をつくることで、ブランドロゴや商品のシズル感を強調するのに最適です。


※状況に応じてマット層に易接着層をオーバーコートします

③反射防止

コーティングマット加工により形成された表面の微細な凹凸が、入射光を乱反射(拡散)させます。これにより、照明や太陽光の不快な映り込みを抑える「防眩(アンチグレア)効果」を発揮します。ポスターやパッケージの文字をあらゆる角度から読みやすくしたりと、製品に「見やすさ」という機能的価値を付与します。

3.「機能性付与」で広がる可能性

大槻工業株式会社へのお問い合わせで近年増えているのが、単なる艶消しではなく「マット加工+αの機能」のご相談です。コーティングという手法だからこそ、マット剤と一緒に機能性添加剤を配合したり、機能性樹脂をオーバーコートすることで、複合的な価値を生み出せます。

易接着性
凹凸のあるマット層上へ易接着層をオーバーコートすることで、マット特有の意匠性を維持したまま、インキや接着剤との密着性を飛躍的に向上させます。通常は定着が難しい構成でも、後工程での印刷適性やラミネート強度を安定して確保でき、意匠性と高い加工適性を両立できる点が最大の特徴です。

離型・転写フィルムとしての活用
転写箔や合成皮革の製造工程において、マット調の意匠を相手側の素材(樹脂や革)に移し取るための「離型紙(リリースフィルム」として使用されます。 この場合、フィルム表面の凹凸形状がそのまま相手側に転写され、製品のマット感を決定づけます。さらに、剥離(リリース)性を付与することで、プロセス終了後にスムーズにフィルムを剥がすことが可能です。アパレル業界のロゴ転写や、自動車内装材の成形プロセスなどで活躍しています。

帯電防止・防汚性
マット層特有の微細な凹凸はホコリを吸着しやすい傾向にありますが、帯電防止層をオーバーコートすることで、意匠性を損なわずに優れた防塵・防汚効果を付与できます。加工時の静電気トラブル(放電や搬送不良)を抑制しつつ、最終製品の美観と清潔感を長期的に維持できる点が大きな特徴です。


4.大槻工業株式会社の「コーティングマット」技術

私たち大槻工業は、お客様の「こんなフィルムが欲しい」という想いをカタチにするコンバーターです。既製品のマットフィルムでは解決できない課題に対し、オーダーメイドのコーティング技術でお応えしています。

低光沢~高光沢に対応出来る加工技術力

お客様のご要望に応じて低光沢(マット調)から高光沢(グロス調)までカスタムグレードで幅広く対応致します。
「もっとマット調が欲しい」「もう少し艶があった方が。。。」そのようなお声をお聞かせ下さい。
また、両面コーティングマット加工も対応しており、それぞれの光沢感を変えることも出来ます。

マットにプラスαの機能性を付与します

使用用途やご要望に応じてマット加工面および背面に[離型性]や[易接着性]や[帯電防止性]などの機能性を付与することが出来ます。
「マット調を転写させたい」「マット調のセパレーターにしたい」「ブロッキングを防止したい」「マット調の印刷フィルムにしたい」などのご要望に対応させていただきます。

マット表面凹凸をご要望に対応します

用途の多様化にともない、「コーティングマット表面の機能性をさらに変化させられないか?」とのお声を数多く伺っております。その中の一つが「マット表面の粗さ」です。
塗工材料の選定と独自の加工技術により、マット表面の凹凸を粗くする、細かくする、などで加工のバリエーションを増やし、お客様のご要望にカスタムグレードでお応えしてまいります。

品質管理へのこだわり

マット加工において最も難しいのが「外観の均一性」です。当社では、光沢度計やヘイズメーター等を用いた数値管理はもちろん、熟練の検査員による厳しい目視検査体制を整えています。微細な塗工欠陥を見逃さず、安定した品質をお届けします。


5.採用事例:こんなシーンで使われています

実際に当社のコーティングマット技術がどのような場面で採用されているか、一例をご紹介します。

・加飾
・艶消し転写ベース
・ブロッキング防止
・フィルム図面(第二原図など)
・印刷基材
・ラベル   など


大槻工業株式会社が選ばれる理由(強みと実績)

フィルム表面処理加工を受託で対応しており、各種コーティング・コロナ処理・アニール処理などと、バリエーション豊富な加工技術でお客様独自の製品に機能性を付与します。

お客様のご要望にカスタムグレードで対応!

開発の駆け込み寺的存在であり続ける為に、お客様と共に考え、アイデアを出します。ご要望をお伺いし、要求性能に応じた塗工剤を選定し、当社独自の加工技術で適正な表面加工とそれに対応するグレードをご提供します。顧客ごとの製品特性や要求精度に合わせたカスタマイズ対応を行いながら、開発情報・処理条件などの機密を厳重に管理しています。

加工のバリエーションが豊富!

要求性能や塗工材料の組成によって塗工方式を決定します。さらに加工要素を組み合わせる事により、多機能化したフィルムに仕上げ高付加価値フィルムとしてお客様のご要望にお応えします。

受託加工業として60年の実績と豊富な経験!

昭和40年の設立以来、長年蓄積してきた高い技術力と経験豊富なスタッフが、お客様にご満足いただける製品づくりを進めます。 コーティング・アニール・コロナなどの受託加工で一社一様のスペック開発をスピーディーに提供することをモットーにお客様のご要望にお応えします。

まとめ:理想のマットフィルムを共に創りませんか?

コーティングマットは、単に光沢を消すだけの加工ではありません。 製品の品位を高める意匠性、製造ラインを止まらせないブロッキング防止性能、そして易接着性や帯電防止性、転写適性といった機能性――。これらを自由に組み合わせることで、フィルムの可能性は無限に広がります。

「既製品のマットフィルムでは満足できない」 「特定の機能を付加したマット層を作りたい」 「転写用の特殊な凹凸形状を探している」

このようにお考えの開発担当者様は、ぜひ一度大槻工業株式会社にご相談ください。 貴社の製品に最適な「艶消し」と「機能」を、私たちのコーティング技術で実現いたします。


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