2026/01/09
-大槻工業株式会社の表面処理技術-

― フィルム密着性向上の最適解を見極める ―
「プラスチックフィルムに印刷したが、インクが剥がれてしまった」 「コーティング剤を塗布したが、うまく密着せずに弾いてしまった」
プラスチックフィルム加工において、「密着不良」は品質トラブルの大きな要因です。
印刷・ラミネート・塗工・接着などの工程では、いかに安定して密着性を確保できるかが製品性能と歩留まりを左右します。
その代表的な手法が「コロナ処理」と「易接着コート(アンカー加工/プライマー加工)」です。
それぞれの特徴や違いを整理し、用途に応じた選び方の考え方を解説します。
易接着・密着向上が求められる理由
プラスチックフィルムは軽量で加工性に優れる一方、表面エネルギーが低く、
そのままではインキや接着剤が十分に密着しないケースが多くあります。
密着性が不足すると、以下のような問題が発生します。
・印刷の剥がれ・カスレ
・ラミネート層の剥離
・塗工ムラや外観不良
・経時劣化による密着低下
これらを防ぐために、表面改質による密着向上処理が不可欠となります。
コロナ処理とは?基本原理と特徴
コロナ処理の仕組み

コロナ処理は、高電圧放電によってフィルム表面に活性基を生成させ、
表面エネルギー(濡れ性)を向上させる処理です。
コロナ処理のメリット
・低コスト :薬剤を使用しないため、ランニングコストが安く済みます。
・インライン対応:製膜工程や印刷工程の中で連続的に処理が可能です。
コロナ処理の注意点
・経時変化 :
➔処理直後は高い効果を発揮しますが、時間が経つと効果が薄れる(経時変化する)ことがあります。
・内部帯電の影響を受けやすい :
➔高電圧印加により、逃げ場のない電荷が絶縁層の内部に蓄積されます。
・難接着素材への限界 :
➔フッ素系フィルムなど、素材によっては十分な効果が得られない場合があります。
易接着コート(アンカー加工・プライマー加工)とは
易接着コートの考え方

易接着コートは、フィルム表面に特定の樹脂(プライマーやアンカーコート剤)を薄くコーティングすることで、物理的・化学的に密着性を向上させる方法です。
「易接着フィルム」「アンカー加工」「プライマー加工」とも呼ばれ、「密着を設計する」ことができる点が大きな特徴です。
易接着フィルムのメリット
・高い密着安定性 :
➔化学結合やアンカー効果を利用するため、コロナ処理よりも強固で安定した密着が得られます。
・経時変化が少ない:
➔表面に層を形成するため、時間が経過しても密着性能が落ちにくいのが特徴です。
・機能性の付与 :
➔密着向上だけでなく、帯電防止や艶消し調など、プラスチックフィルムに新たな機能を付加することも可能です。
留意点
・処理コストはコロナ処理より高め:コーティング工程(塗布・乾燥)が必要となるため、コロナ処理単体に比べると手間とコストがかかります。
・用途に応じた仕様設計が重要
コロナ処理と易接着コートの比較
| 項目 | コロナ処理 | 易接着コート |
| 密着力 | 中程度 | 高い |
| 経時安定性 | △ | ◎ |
| カスタマイズ性 | 低 | 高 |
| コスト | 低 | 中~高 |
| 高機能用途 | △ | ◎ |
短期使用・汎用用途にはコロナ処理、
高付加価値・高信頼性用途には易接着コートが選ばれる傾向があります。
大槻工業株式会社のフィルム受託加工の特徴
大槻工業株式会社では、
・コロナ処理
・易接着コート(アンカー加工/プライマー加工)
の両方に対応したフィルム受託加工を行っています。
用途・素材・後工程を踏まえた上で、
「どの処理が最適か」という視点から技術提案を行う点が特長です。
・カスタマイズ対応:
➔汎用品の易接着フィルムでは対応できない特殊な基材や条件にも、独自の配合設計で対応します。
・試作から量産まで:
➔ラボスケールのテストから量産加工まで、一貫してサポートいたします。
大槻工業株式会社が選ばれる理由(強みと実績)
フィルム表面処理加工を受託で対応しており、各種コーティング・コロナ処理・アニール処理などと、バリエーション豊富な加工技術でお客様独自の製品に機能性を付与します。
単なる加工ではなく、課題解決型の受託加工として多くの実績があります。
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お客様のご要望にカスタムグレードで対応!開発の駆け込み寺的存在であり続ける為に、お客様と共に考え、アイデアを出します。ご要望をお伺いし、要求性能に応じた塗工剤を選定し、当社独自の加工技術で適正な表面加工とそれに対応するグレードをご提供します。顧客ごとの製品特性や要求精度に合わせたカスタマイズ対応を行いながら、開発情報・処理条件などの機密を厳重に管理しています。 |
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加工のバリエーションが豊富!要求性能や塗工材料の組成によって塗工方式を決定します。さらに加工要素を組み合わせる事により、多機能化したフィルムに仕上げ高付加価値フィルムとしてお客様のご要望にお応えします。 |
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受託加工業として60年の実績と豊富な経験!昭和40年の設立以来、長年蓄積してきた高い技術力と経験豊富なスタッフが、お客様にご満足いただける製品づくりを進めます。 コーティング・アニール・コロナなどの受託加工で一社一様のスペック開発をスピーディーに提供することをモットーにお客様のご要望にお応えします。 |
まとめ|最適な密着処理は用途で決まる
「コロナ処理」と「易接着コート」は、
優劣ではなく最終製品に求められるスペックに合わせて使い分けが重要な加工技術です。
・コスト重視 → コロナ処理
・高密着、長期安定性重視 → 易接着コート
大槻工業株式会社では、用途に応じた最適な表面加工をご提案しています。
フィルムの密着性でお悩みの際は、ぜひご相談ください。
パートコロナ処理で実現する部分的なフィルム表面改質事例のブログページはこちら。
内部帯電を解消するnano除電の効果まとめのブログページはこちら。


